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ブロックチェーンは物流を変えるのか?

配車担当のたろーです!ブロックチェーン技術って知ってますか?

 

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ビットコイン?ブロックチェーンが物流を変える未来

 

皆さんはビットコインをご存知でしょうか?去年あたりめちゃくちゃ流行って、CMなんかもバンバン流れていたので耳にした方もいるかもしれませんね。コインチェックという会社がハッキングに会い、500億超もの被害を被ったことも記憶に新しいかもしれません。

 

ブロックチェーンとは、そのビットコインを構成する根幹の技術のことなのです。

 

ではブロックチェーンとはいったいなんなのか?専門家ではないので詳しく解説することは省きますが、平たく言うと全ての取引が鎖のようにひとつながりになっており、その全てを可視化できる技術ということです。かなりざっくりな説明なので細部は違うと思いますが、これくらいの認識で今のところはOKです。

 

で、そのブロックチェーン技術が物流の未来を変える、と言ったのがアメリカの大手物流会社であるフェデックスのCEO。

 

www.bloomberg.com

 

かなり興味深いことです。本当にブロックチェーンは物流の世界を変えるのでしょうか?

 

ブロックチェーンにより全ての取引の流れが可視化できる

 

幹線の配車をしていて乗務員からこんなことを言われたことないだろうか?

 

「今日これで運送会社に電話するの6件目だよ」

 

私は幹線の配車ってあまりしたことなかったので気づかなかったのですが、こういったことが結構あるみたいなんですね。

 

そこまで詳しくないので、あくまでイメージで捉えてもらいたいのですが、幹線便の場合、例えば関東〜関西をメインで走ってる会社の場合、月曜日を起点とすると、

 

月:関東発
火:関西発
水:関東発
木:関西発
金:関東発

 

みたいな感じで仕事を取っていくことになります。で、先のことはわからないので、A社の配車マンは月曜日に木曜日発の仕事で大阪発が出てきた場合、とりあえず受けるわけです。

 

しかし、水曜日に関西方面に行く仕事が、京都行きしかなかった場合、木曜日の大阪発の仕事だと遠すぎるということが起きるわけですね。

 

その場合、他社の配車マン同士とやりとりして、大阪発が欲しいB社の配車マンが京都発の仕事を持っていた場合、A社と交換しあうわけです。そうすると、乗務員はまずA社の配車マンに電話をして誘導をお願いするわけですが、実際にはB社の配車マンが仕事を持っているので、B社に電話しろと指示するわけです。

 

こんな感じで仕事の交換が頻繁に行われているのです。上記の例は交換が1回だけなのでまだなんとなく把握出来るわけですが、これが何回も何回も交換が行われるとはっきり言ってカオスな状況に陥ります。

 

電話ならまだいいですが、受領書なんかは頻繁なラリーが繰り広げられるので、もっと分かりづらいですね。更に言えば紛失のリスクも大きくなりますから、仕事のやり方としてはいい方法とは言えません。ITに対してかなり遅れている業界ですので、改善するのもなかなかハードルが高いんですけど。

 

さて、ではここにブロックチェーンの技術が導入されるとどうなるのでしょうか?

 

仕事が鎖の輪っかだと考えると、それがひとつながりの鎖のように俯瞰できるとなれば、最初にどこからの仕事か?というのがすぐにわかるということですね。これにより、簡単に考えれば電話をする回数を最小限に抑えることができますね。

 

また、受領書問題も、最初に荷主がわかるので直接もどすことが可能です。可視化できるということはそういうことです。

 

しかし、実際にはもっと話は簡単になります。仕事がひとつながりで可視化出来るということは、荷物が届いたかどうか?というのも確認出来ると言うことです。宅配便はそういったシステムを各社で用意していますが、ブロックチェーン技術を使えばその会社の垣根さえも超えて、確認が可能になると言うことです。

 

荷主からもメリットがあります。間に入っている業者が把握出来るようになるので、余計な手数料がなくなるということです。間に会社が入るごとに1000円ずつ抜かれていくということを考えれば、間に4社入ってたら4000円多く払っていることになりますね。無駄な経費が削減できると言うことです。

 

物流業界の未来

 

短期的に見れば、ブロックチェーン技術が導入されることにより、中間業者が一層されるので水屋家業は激減するでしょう。恩恵を受けるのは、荷主と中小企業の運送会社です。これにより売り上げが倍増する可能性すらあります。

 

しかし、その未来も長くは続きません。結局は自動運転・AI配車の時代が到来し、ITの技術を持っている物流会社が業界を掌握していくことになるでしょう。IT技術は欧米には勝てませんから、上記のフェデックスや早々にブロックチェーンに興味を示していたUPSなんかが覇権をとる可能性がありそうです。アマゾンも期待値が高そうですね。

 

個人的にはITが遅れている業界は、さっさとIT化を進めていただき、仕事を簡単にしていってもらいたいと思っていますので、この波は大歓迎です。しかし、その業界の中で生き残っていけるかと言うと…うーん、あまり自信がありません(笑)。

 

まぁでもこの大きな流れは変えられないと思いますので、自分がこの物流業界の中でどのような戦略を取っていけばいいのか?というのは考えて仕事をしていかないといけないなと思ってます。